大河内山荘庭園の見どころレビュー/料金・アクセスも解説
京都市内にある大河内山荘庭園を訪れたのは、令和2年の初冬のころ。
まだまだ新型コロナウイルスが猛威を振るっておらず外出自粛も行われていない時期でしたが、寒い時節柄もあってか、庭園内の人はだいぶまばらでかなり散策がしやすかったです。
現在は、GoToキャンペーンなどの影響で嵐山にも客足が戻りつつあると聞き、少し期間があいてしまいましたが、大河内山荘庭園を訪れた散策内容をレビュー記事に起こそうと思いたちました。
大河内山荘庭園の基本的な情報から、庭園内の見どころ散策レビューをたくさんの写真とともに紹介していきますので、是非こちらの庭園を訪れる前の参考にして貰えればと思います。
大河内山荘庭園とは?
散策レビューをする前に、大河内山荘庭園について簡単に説明しておこうと思います。もう知ってるよ、と言う方は読み飛ばして散策レビューへGo!で問題ありません。
大河内山荘庭園は、京都府京都市右京区嵯峨にある、大河内傳次郎が小倉山からの雄大な風光に魅せられ造営した回遊式庭園です。
大河内傳次郎と大河内山荘庭園
昭和初期の映画・時代劇俳優、1898年生まれ1962年逝去。いわゆる昭和の大スターです。
大河内山荘庭園は、大河内傳次郎が34歳から64歳で亡くなるまで30年の歳月に渡って、映画出演料の大半を注ぎ込んで造り上げた庭園です。ただの別荘というだけではなく、人生をかけて造った庭園なのです。
また、丹下左膳で一世を風靡した傳次郎の生涯や活躍ぶりを、写真やパネル等で解説する資料館もあります(後ほどの散策レビューで紹介します)。
基本情報・アクセス・料金
【住 所】
〒616-8394 京都府京都市右京区嵯峨小倉山田渕山町8
【時 間】
9:00~17:00
【電 話】
075-872-2233
【料 金】
中高生以上 1,000円(お抹茶付き)
小学生 500円
◇市バス「野々宮」下車 徒歩10分
◇嵐電嵐山本線「嵐山」駅下車 徒歩15分
◇JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅下車 徒歩15分
大河内山荘庭園の見どころ散策レビュー
では早速入り口で1,000円を払い、庭園の散策開始です!嵐山の竹林自体には人が結構いるのですが、大河内山荘庭園は入場料が必要だからなのか、入園者はまばらです。
その影響もあってか、人の邪魔にならないよう注意しつつも人が写りこまない写真を撮るのは簡単でした。カメラ片手にこの庭園にくるのはかなりおススメです。最高の写真をたくさん撮ることが出来ますよ。
まず料金所から続く坂道を上り右手に曲がると、スタート地点のようなこの場所に出ます。さすが回遊庭園、後ろに見える木々からも大自然の迷路のようになっているのが良く分かります。
ちなみに写真の右手奥に見える建物が最後に抹茶と茶菓子をいただける場所になります。つまりゴール後の休憩地点でもあるわけですね。この自然の中でいただくお抹茶がまた格別なのです。
小倉山の山裾の起伏を利用して桜や楓、松などを植え込んだ広大な庭の中は迷路のような道が続いています。ただその迷路のような道がとにかく和・禅の調和がとれていて美しい!
石畳と自然のコントラストって何でこんなに心が落ち着くのでしょうか。言ってしまえばただの通路のはずなのにとても格式を感じる雰囲気です。
散策を開始してすぐにこちらの大乗閣にお目にかかれます。登録有形文化財であり、寝殿造、書院造、数寄屋造など日本の住宅の伝統的様式を合わせて取り入れた建物となっています。
周囲には紅葉、桜、松などの高木が植えられ、スカッとした爽やかな空間になっています。ここからの眺めも最高のスポットで、良い写真が撮れますよ。
大乗閣からまた少し園路を進むと、こちらの持仏堂があります。信仰の篤い傳次郎さんが座禅を行った所だそうで、大河内山荘の初期の建物になります。
周囲は白砂が敷かれ低いマツが植えられた枯山水の庭となっており、静謐な空気が漂っています。龍安寺が大好きな私は同じような居心地の良さを感じました。
右手奥に見えるのがこれまた登録有形文化財の茶室・滴水庵になります。そして私が一番素晴らしいと感じた場所がこの滴水庵の前庭なのです。
一面にコケが敷き詰められ、落ち着いたこの空間。目が覚めるような、だけど心が落ち着くような相反する感情が芽生えてきます。最近コケ好きの方も多いと聞きますが、まず間違いなく満足できる空間です。
この石畳とのコントラストは上手く撮れました。自然が息づく小さな世界を感じます。もし許されるならこのコケの上に寝そべって自然と一体になりたい。なんだか悟りをひらけそうな気がします。
正直、ここで1時間ほど佇むことが出来るくらい穏やかな心を得られますよ。こればっかりは実際に行ってもらわないと伝えきることが出来ません。是非是非ご自身の目で確かめていただきたい。
滴水庵を眺めながらさらに園路を上っていくと、頂上付近からこの景色を眺めることが出来ます。空気が美味しい!京都の名所をここから眺めて盛り上がるのもとっても楽しいですよ。
ここらで一休みするのもちょうどいいでしょう。
園路に沿った旅路ももうゴール間近です。するとそこには綺麗に整備された大河内傳次郎資料館があります。ちょっとした自然の美術館といった感じでしょうか。
当たり役の丹下左膳姿の写真など大河内傳次郎の姿を伝える施設であり、戦前から戦後間もなくにかけての日本映画の歴史も知ることができます。貴重な資料も展示されており、マニア垂涎の施設です。
庭園を楽しく歩き回った後は、こちらで一息。入場者にはお抹茶と茶菓子がふるまわれます。茶菓子は「大河内山荘」と刻印されたモナカです。
少し疲れた足をさすりながらいただくお抹茶の苦みと最中の甘みは格別ですね。周囲の景色も相まって最高のリラックス空間です。
いやはや、こんなに素晴らしい自然を味わえて美しい写真もたくさん撮れるのに、人で混雑していないスポットってそんなには無いのではないでしょうか。
正直あまり人に教えたくない穴場という気もしますが、庭園が末永く経営されればそれほど嬉しいことはないので、やはりたくさんの人に知って欲しいですね。
京都にはたくさんの観光スポットがあるので、知名度的に少し埋もれてしまうのかもしれない大河内山荘庭園ですが、断言します。この庭園は最高のスポットです!
大河内山荘庭園の見どころレビュー まとめ
30年かけて造園したというだけあって、広大な敷地にアップダウンと結構歩きまわりました。今回訪れたのは冬だったのでほとんど問題ありませんでしたが、夏場であればかなり汗をかくでしょう。
しかしながら、豊かな自然と禅が見事に調和した静謐な空気の中では、歩き回ることはまったく苦に感じないでしょう。それどころか、日ごろのストレスや鬱憤が浄化されること間違いなし。
また、夏場の清々しい緑や秋の紅葉など、四季を通じて様々顔を見せてくれる大河内山荘庭園。1度だけでなく、何度も訪ねてみることをおすすめします。
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