おすすめマンガ「ピアノの森」読書レビュー/ピアノの旋律が心に響く
今回は2019年1月からアニメ第2シリーズも始まったピアノの森の紹介です。作者は花田少年史でも知られる一色まことさんです。
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正直この作品を最初に知った時、音楽、特にピアノを題材にした漫画って音も聞こえないのに面白いのか?って思いました。
なんだか気になるなあ。と思いながら食指が動かずにいたのですが、近所の図書館の漫画コーナーに並んでいたので「タダならいいや!」と思って一冊だけ借りて帰りました。
次の日には、本屋に走って続きを買いあさっている自分がいました。その図書館には最終巻まで置いてあったんですが、この本は絶対手元に置いておきたい!と強く思ったんですよね。
物語は少年編・青年編・ショパンコンクール編の3つに大きく分けられ、主人公や周りの人物の成長や立ち直っていく姿がやさしく描かれています。
実際に聞こえなくても、ピアノの旋律が心に響くとでも言いましょうか?不思議な魅力を持ったマンガです。
おすすめマンガ「ピアノの森」読書レビュー
少年編の魅力的なキャラクター
一ノ瀬 海(いちのせかい)
まずはもちろん主人公の一ノ瀬海。いたずらっこで子供っぽい(子供なので当然)ところがありながら、実は聡明で頭のよい子です。
家の近所の森に野ざらしで打ち捨てられていたピアノを物心がつくかどうかの小さいころから弾き(叩き?)始めたことが彼のピアノのルーツになります。
ちなみにこのピアノはガタがきているので弾くのに強い指の力が必要であり、そのピアノを弾き続けてきた海は強固な腱という特殊能力を手に入れています。
また、数回しか聴いていない曲の間違いを指摘したり、その曲を難なく弾きこなしてしまうという才能や耳の良さを持っています。
しかし、海にとってのピアノは自分ひとりだけのものであり、それ以上のものではありませんでした。そんな海は小学生の時に運命的な出会いをすることになります。
阿字野 壮介(あじのそうすけ)
私が主人公の海と同じくらい(もしかしたら海より)好きなキャラクターなのが、海の学校の先生でピアノの先生でもある阿字野壮介です。
世界レベルのピアノの腕を持ちながら、交通事故で自身の左手と婚約者をなくしてしまった悲劇の人物。夢破れ抜け殻となり生きてきたこの阿字野との出会いがなければ、その後の一ノ瀬海もまた阿字野本人のその後はありえなかったでしょう。
母や身近な人達から深い愛情を受けながらも、特殊な環境のせいでくすぶっていくはずだったであろう海を世界へ連れ出すところからこの物語は大きく動き出すのです。
ピアノの先生というだけでなく、海を海(うみ)に連れて行ったり(ややこしい)、海の母親ごと自分の養子にしようと考えたり、父親のように暖かくサポートします。むしろ、阿字野のほうが海に出会ったことで救われたのだと思います。
雨宮 修平(あまみやしゅうへい)
海が粗削りながら天性の才を持つピアニストであるならば、この雨宮修平はその対となる緻密で完成度の高い譜面に忠実なピアニストです。
海だけにスポットを当てていると、流行りの俺つえー系の作品になるような気もするのですが、この雨宮の海に対する嫉妬や敗北感が読者の気持ちを現実に引き戻します。
もちろん、雨宮も一流のピアニストなのですが、幼少期に感じた海への敗北感はそのまま青年編へも長く続くことになります。
でも雨宮へのほうが感情移入する人が多いのではないかと思います。努力しても越えられない壁に出会ってしまった経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
ショパン国際ピアノコンクール編
海と阿字野が師弟関係を結んだのは、ショパン国際コンクールまでの期間限定のものです。
そしてこのショパン国際ピアノコンクールは、作品の半分くらいを占めています。でもこのコンクール編は神です。まったく長さを感じさせません。
むしろ心がジーンとなり、目頭が熱くなるシーンが多発してます。海がコンクールの優勝を目指した理由が、実はあの目的のためだったとは!それが分かった時は泣きました。
おすすめマンガ「ピアノの森」 まとめ
音楽を扱った漫画は多くあれど、食わず嫌い状態だった僕が最高に引き込まれたのがこの作品でした。
興味なかったクラシックまで聞きましたからね。あの年で子犬のワルツ弾く海すごすぎる。是非みなさんも映像化のピアノの森を見る前に漫画のほうを見てもらいたいと思います。
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